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管理薬剤師は薬剤師のキャリアアップの1つ。仕事内容や年収などをご紹介。|私大薬学部・薬科大学―データリスト

薬剤師のステップアップにおすすめしたい、管理薬剤師のメリット・デメリットは?

管理薬剤師とは

みなさん、管理薬剤師という職業をご存知でしょうか。聞いたことがある方もいるとは思いますが、ただの薬剤師ではありません。というと、何か特別な肩書があるように思われますよね。その辺も踏まえて、管理薬剤師とは何か、薬剤師とどう違うのか、どのような仕事をするのか、メリット・デメリットなどを詳しくお伝えしていきます。

目次

  1. 1.管理薬剤師の役割
  2. 2.管理薬剤師の年収・仕事内容
  3. 3.管理薬剤師になるには資格が必要か
  4. 4.管理薬剤師のメリット・デメリット
  5. 5.まとめ
  6. 6.薬学部に関するおすすめの記事

管理薬剤師の役割

管理薬剤師は、薬局やドラッグストアなどの店舗での責任者で、大きくは"医療品などの管理"と"従業員の監督"の2つに分けられます。同じ店舗で3年以上の職務経験を積んでから管理薬剤師になるのが一般的。その役割を下記にまとめましたのでご覧ください。

  1. 【医療品などの管理】
  2. ・店舗内の医療品を適切に管理する
  3. ・医薬品と医薬部外品、化粧品などを区別して陳列する
  4. ・有効期限が切れた不良品などを処分する
  5. ・設備に問題が生じた場合、開設者に改善するよう申請する

  1. 【従業員の監督】
  2. 薬剤師や他の従業員が適切に仕事をしているかを監視・指導・教育など

管理薬剤師の年収・仕事内容

管理薬剤師の年収はいくら?

働く場所や施設・店舗などの規模によって違ってきますが、

  1. ・都心部であれば平均年収は600万円
  2. ・郊外や地方によっては650万円~700万円

同じ職場で3年と考えた場合、同キャリアを持つ薬剤師(雇用形態関係なく)がいる確率は高いため、年収に重きを置くのは難しいかもしれません。そのため年収600万円は1つの目安としてください。

管理薬剤師の仕事内容

管理薬剤師の仕事内容は職場によって違いますので、代表的な働き場所を3つに分けてご説明します。

  1. ・調剤薬局の場合
    調剤薬局の管理薬剤師は、医薬品の管理から勤務やシフト管理、薬剤師や他のスタッフの管理・指導など、多岐にわたります。医薬品の管理は、医薬品が非常にデリケートなので適正な温度・湿度で管理し、常に品質を一定に保ちます。また、患者に提供する医薬品を在庫切れにしないように管理することも求められます。
    マネジメントでは、働いているスタッフが気持ちよく仕事ができるようにコミュニケーションを重ねたり、会議やミーティングなどでみんなの意見をまとめ、職場の改善に努めることが求められます。
  2. ・病院の場合
    病院の管理薬剤師は、注射薬などのさまざまな種類の医薬品の管理・調整を行います。医薬品だけでなく、医療に関する幅広い知識、複数の薬剤師を指導・管理する人間性とコミュニケーション能力などが欠かせないでしょう。そのため、管理薬剤師としての経験を最も積むことができる職場です。仕事へのやりがいはおおきいですよ。
  3. ・ドラッグストアの場合
    基本は調剤薬局や病院と同じで、店舗における医薬品や薬剤師の責任者としての役割を果たすことが仕事内容になります。少し違う点は、ドラッグストアなので医療品の他に、日用品や食料品を扱う点。管理する商品が増えると利用してくれるお客さまの層も広がりますので、薬に関する服用の知識や健康へのアドバイスなどのコミュニケーション、スタッフとの連携が欠かせない状態になりますね。また、店舗に店長やオーナーに医薬品の知識がない場合、助言を求められることも。

管理薬剤師になるには資格が必要か

では、管理薬剤師になるためにはどうすればなれるのでしょうか。資格などは必要なのでしょうか。

責任者としての責務をする管理薬剤師ですが、薬剤師の国家試験以外に"必要な資格はありません"。また、雇用条件などの決まりはなく、パートやアルバイトでも管理薬剤師になることは可能です。薬剤師として働いていれば、誰にでもなれる可能性があるということです。

ただし、病院や薬局などの施設で1週間に実働40時間(1日8時間以上)働く必要があること、責任者としての役割を果たすマネジメント力・コミュニケーション能力などが必要となります。調剤薬局を例にすると、同じ施設で通常3年程度の勤務を経て、内部昇進、もしくは転職を機に管理薬剤師になるというイメージです。

管理薬剤師のメリット・デメリット

【管理薬剤師のメリット】

  1. ・仕事への責任とやりがい
    前項でも説明しましたが、管理薬剤師となれば責任を伴う職務を行うことになります。それは一般的な会社だと、部長と平社員に例えると分かりやすいですし、責任が大きくなれば仕事の幅も広がっていきますね。
    また、薬剤師とは異なった視点で仕事ができるということは、やりがいを手に入れることにもつながります。今までは調剤作業がメインだったとしたら、医薬品の管理から従業員の教育・指導、お客さまからのクレーム対応・処理など、多岐にわたるはずです。
  2. ・年収アップ
    管理薬剤師になると『手当』が付きますので年収がアップします。アップの幅は職場によって違いますが、月3万円~6万円と考えてください。昇進や転職をする際は必ず条件を確認してから決めた方がいいと思います。
    薬剤師の年収は一般のサラリーマンより上回っていますが、一定の水準からは上がりづらいです。薬剤師の年収を参考にしたい方は『薬剤師の平均年収はどのくらい?』をご覧ください。

【管理薬剤師のデメリット】

  1. ・副業ができない
    薬事法第8条「その薬局以外の場所で業として薬局の管理その他薬事に関する実務に従事するものであつてはならない」により、管理薬剤師として働くのであれば副業はできません。例えば、平日はA店で働き、土日はB店で働く、ということができないのです。また肩書がなく、1人で薬剤師で薬局を統括している場合も、管理薬剤師になるため副業はできません。
  2. ・仕事の負担が増える
    簡単に言えば、調剤業務+マネジメントになるため、仕事の負担が重くなるわけです。肉体的にもそうですが、精神的にも責任という形でな負担を背負うことになります。となれば、職場の規模にもよりますが、いかに現場の人が気持ちよく仕事ができるかを考えることにかかっていますね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。管理薬剤師と聞くと、何か資格が必要であるとイメージしていた方が多かったのではないでしょうか。よく調べてみると、ある一定の経験を重ねればアルバイト・パートの方でも昇進できる可能性は十分にあります。もちろん、責任があり仕事量は増えますが、店舗のスタイル・状況、管理の仕方、スタッフの教育・指導方法によっては、うまくまとめることもできます。そこは管理薬剤師として少しずつ経験していけばいいのです。

また、より高収入を求めている方でれば、認定薬剤師(※)もしくは専門薬剤師の資格を手に入れることもおすすめします。年々高度になる医学・薬学に対応して、医療分野に関する豊富な知識やスキルを備えるためです。
※認定薬剤師と専門薬剤師の資格について詳しく知りたい方は『今後求められる薬剤師の専門性とは…』をご覧ください。

薬学部を目指している受験生、薬剤師になるために勉強している学生のみなさん、これから求められる薬剤師は、より専門性を持った人材です。将来日本の医療を担うスペシャリストとして、ステップアップしていきましょう。

管理人は現役の薬剤師

管理人:舞(まい)
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薬学部を卒業後、薬剤師として5年間働くが職場に馴染めず、体調を崩して退職。約1年間の自宅療養の後、薬剤師として復帰。自分と同じように薬剤師復帰を目指す人や、薬剤師になりたい学生・受験生を応援するべく情報を提供してます!詳しいプロフィールはこちら

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