さて、こちらでは首都圏の薬学部・薬科大を個別に紹介していきたいと思います。
偏差値などの入試難易度に関わる情報はもちろんのこと、入学後の学習環境や施設・さらには大学のカリキュラムまで多岐にわたる情報を網羅。徹底的にリサーチしたデータをすべて公開します。
個別紹介するのは首都圏に数ある薬学部の中から、選び出したオススメ度の高い10大学です。偏差値の高い難関大から、偏差値的にはさほど評価されていないけれど今後の伸びが期待される大学まで、幅広いレベルからバランス良く配置したつもりです。
まず、薬学部の最大目標は国家試験に合格することです。「薬剤師国家試験に向けた明確かつ実践的なカリキュラムが組まれているかどうか」は薬学部を選ぶ上で重要なポイントだといえるでしょう。ここからの個別紹介ページでは、各大学のカリキュラムまでを調べ上げて、できる限りの情報を掲載していますから、6年後にやってくる薬剤師試験に向けて、是非とも合格のイメージが湧くカリキュラムを用意している大学を選んでください。
すぐに各校のデータが見たい方は、以下の解説を読み飛ばしても大丈夫です。
気になる方・受験校の選び方について詳しく知りたい方だけ読んでください。
倍率の高さが2倍~4倍程度の適正値に収まっているかをメインに判断しています。倍率が高すぎれば、偏差値のわりに合格が難しくなってしまうためです。倍率があまりに高い場合「大学の教育レベルは標準より少し高い程度なのに、合格するために必要な労力が高すぎる」ということが起こってしまう、ということですね。
仮に数値に置き換えると分かりやすいでしょう。
偏差値の他にブランド力や教育力を加味した大学の力が60程度のA大学があったとします。しかし、倍率が高い(=競争率が高い)ために合否の基準がやや上がってしまうことが多く、65くらいの学力がないと「まあ、合格できるだろう」とは言い切れない状態です。もし、同じ受験日でほとんど同じレベルのB大学は倍率が普通くらいで、60の力があれば「たぶん合格できる」としたら、どうしますか?
これが倍率の意味です。「倍率が高い」ということは確かに「人気がある」ことを意味します。ですが、レベルに見合わない過剰な人気が集まっている場合には、その大学を避けたほうが賢いということもあるのです。
ピンとこない方のために過去の具体例をお教えしましょう。薬学とは無関係なのですが、慶應大学には通称SFCと呼ばれる総合政策学部・環境情報学部という学部が存在します。設立された当初は、独自性あるカリキュラムに人気が集まり、東大を超えるのではないかと言われるほどの難易度になっていました。しかし、それから数年が過ぎると2学部の難易度は慶應大の中ではやや下位といった程度に落ち着き、今でもそれは変わりません。
では、話を一般論に戻しましょう。
一時的な倍率の高騰によって上がったレベルは、たとえそれを乗り越えることができたとしても、後に努力に見合った評価が与えられるとは限らない、というのが重要なのです。
倍率が高すぎも低すぎもしない大学というのは状態が安定しているわけですから「今レベルを維持している大学なら維持し続けるだろう」「今伸びている大学なら順調に伸び続けるだろう」という予測を立てやすい、というわけです。
ただ、倍率が高く偏差値の高い大学は、客観的にもレベルの高い大学、ということになりますから、将来的な就職や周りの見る目というものにも影響は出てくるでしょう。せっかく受験するのですから、より高みを目指して合格を勝ち取る!という気概も必要ですよね。
大学には倍率が低下しすぎることによって生じるリスクも存在します。あまりに倍率が下がって1倍台が当たり前というような状況になってしまえば、それはそれで問題です。
同じレベルの大学が3校あるとしましょう。それぞれA大学・B大学・C大学とします。仮にある年度の受験シーズンに、これら3大学すべてに合格した受験生が100名いたと考えてください。3つ全部に受かった人たちは、どれか好きな大学を自由に選ぶことのできる立場です。さて、この全部に合格した優秀な100名の受験生のうちA大学に75名、B大学に20名、C大学に5名が入学したとしましょう。この時、3つの大学の定員はすべて100名とします。偏差値は同じだったとしても、この3大学の価値にはどんどん差が付いてしまうのが分かりますね?
A大学の場合は人気が集中しすぎており、この年にA大学一本に絞っていた受験生は非常に苦戦を強いられたでしょう。次にC大学の場合ですが、これは定員の100人が埋まるのかどうか心配なレベルです。たぶん、適正なのはB大学だけです。
万が一、毎年このままの調子だったならC大学はどんどん寂れていってしまいます。このように、定員割れを起こすほどの低倍率も大学の先行きが心配な状態ということになります。
以上を総合すると、合格難易度が高すぎない大学で、かつ同レベル間での人気は一定以上に高い大学。これが最も先行きの明るい状態ということになります。
偏差値のような数字的な評価だけではなく多様な視点から判断した当データリストで、自分にピッタリの薬学部を見つけて頂けたなら、これに勝る喜びはありません。
それでは、是非とも各大学の紹介ページをご覧になってください。
薬学部を卒業後、薬剤師として5年間働くが職場に馴染めず、体調を崩して退職。約1年間の自宅療養の後、薬剤師として復帰。自分と同じように薬剤師復帰を目指す人や、薬剤師になりたい学生・受験生を応援するべく情報を提供してます!